いじわる

ベッドに押し倒されて、右手も左手も繋がれシーツに縫い止めるように拘束された。ゆっくり覆い被さってきた宍戸さんは俺の唇に唇を寄せて、そして啄むようにキスをした。「なぁ、今、なにしてる」宍戸さんが問いかける。分かりきっている…

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鳳長太郎の赤い恋

バレンタインが近い。クラスの女の子たちは誰にどんなチョコレートをあげるかという話題で持ちきりだ。こっそり盗み聞いている男子たちは、気にならない振りをしていても期待を隠しきれない様子でそわそわしている。友達に、おまえは気に…

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呑まれた話

酔った勢い、というものはないらしい。アルコールに絆された本性が露呈するだけで、それは勢いでもなんでもないという。つまり酔っているときの言動こそが、普段は理性の裏に隠している本当の姿ということになる。「宍戸さんはひどい人で…

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12/25

0:00 SIDE鳳 「あ、宍戸さんこんばんは! メリークリスマスです!」「おー、本当に0時きっかりに電話してきたな」「だって、約束しましたから」スマートフォンの向こうで、宍戸さんは少し呆れたように言った。昨日、日付が変…

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食べられる長太郎の話

かわいい、と宍戸さんは言った。ぷっくり朱く、トロトロになった恥ずかしいところで俺を飲み込んで、焦点が合っているのかいないのかわからないまなざしで、かわいい、と言った。乗っかられた俺は宍戸さんを見上げていることしか出来なく…

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仲直りする話

ぼふん、と頭まで被っていた夏布団が潰される音とともに体に重みを感じて目が覚めた。顔を出してみると頬に濡れた髪の毛が触れる。風呂上りの石鹸の匂いをさせた長太郎に布団ごと抱き込まれて身動きが取れずにいると、「ごめんなさい」と…

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部室で秘密の時間を過ごす二人の話

宍戸さんの唇がひたいに触れる。温かさに思わずまぶたをぎゅっと閉じたら、皺の寄った眉間にも同じように口づけられた。「次は?」薄く瞼を開いたら宍戸さん顔がすごく近くてびっくりしちゃって、でも座り込んだ背中はロッカーにくっつい…

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