部室で秘密の時間を過ごす二人の話
宍戸さんの唇がひたいに触れる。温かさに思わずまぶたをぎゅっと閉じたら、皺の寄った眉間にも同じように口づけられた。「次は?」薄く瞼を開いたら宍戸さん顔がすごく近くてびっくりしちゃって、でも座り込んだ背中はロッカーにくっつい…
続きを読む →あいくるしいシリーズ、オメガバース、短編など、気ままに投稿します。
Twitterやpixivでは公開しない既刊の続編も載せていきたいです。
<あいくるしい、オメガバースについて>
時系列を把握するために全話タイトルを載せていますが、*のついているものはオフライン(既刊)のみの公開となっていますのでご了承ください。
宍戸さんの唇がひたいに触れる。温かさに思わずまぶたをぎゅっと閉じたら、皺の寄った眉間にも同じように口づけられた。「次は?」薄く瞼を開いたら宍戸さん顔がすごく近くてびっくりしちゃって、でも座り込んだ背中はロッカーにくっつい…
続きを読む →「長太郎、具合どうだ?」トーンを抑えた聞きなれた声がして、俺はまぶたを開いた。今朝目覚めたときから熱があり大事を取って横になっていたのだけれど、重くなるまぶたに反してなかなか眠れず今に至る。宍戸さんが俺のおでこのぬるくな…
続きを読む →今夜もまた、真っ暗な寝室に息をつめて踏み入れる。家具の配置を思い出しながら、体に染みついた感覚を頼りにベッドにたどり着いた。微かに寝息が聞こえる。ベッドの左半分、いつもの定位置で既に夢の中にいる長太郎の気配をうっすらと感…
続きを読む →初めて長太郎を壊したいと思ったのは夏の暑い日、部活が終わって帰り支度をしているときだった。ベンチに座って靴紐をほどくあいつの首筋が晒されていて、それを見下ろしながら、歯を立ててみたらどんな触覚がするのだろうか、肌はどんな…
続きを読む →背中にぴたりとくっついて眠っていたはずの長太郎に首筋を甘噛みされる。鳩尾を撫でる温かな手のひら。その指先は俺の鼓動を確かめるようにゆっくりと左胸を這い、尖りを擦り始める。ゆうべ散々弄ばれたせいで、些細な刺激ですら俺を夢の…
続きを読む →酔っ払って帰ってきた宍戸さんはいじわるだ。ソファーで本を読みながら宍戸さんの帰りを待っていた俺は「おかえりなさい」を言う間もなく襲撃された。「ちょうたろー、あーん」俺の膝に乗っかった宍戸さんは、コンビニで買ってきたショー…
続きを読む →注意:女体化百合 青天の霹靂ってこういうことだ。今日は二月十六日で、バレンタインデーの二日後で、つまり私の誕生日の二日後で、当日にお祝いできなかった代わりにちょっといいレストランでご飯食べようって誘ってくれた宍戸さんは珍…
続きを読む →目覚めたときから微熱があり、学校を休むほどでもないからと家を出たはいいものの、動くたびに体の感覚に違和感があった。首元が苦しい。ネクタイを緩めても、シャツの襟ぐりがうなじや首筋に触れるだけで息苦しく感じる。衣服の布地は胸…
続きを読む →※鳳宍に娘が産まれています。 白い砂浜を踏みしめる。潮風と照り付ける太陽を肌で感じて、波の音を聞いた。長太郎が波打ち際まで俺の手を引く。笑顔。打ち寄せる波。つま先が、濡れる。 「おとうさん! おきて!」「んあ?」毛布ごと…
続きを読む →『エスケープ・ジャーニー』に収録。二度目のヒートが来た宍戸さんが巣作りして長太郎を待つ話。
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