仲直りする話
ぼふん、と頭まで被っていた夏布団が潰される音とともに体に重みを感じて目が覚めた。顔を出してみると頬に濡れた髪の毛が触れる。風呂上りの石鹸の匂いをさせた長太郎に布団ごと抱き込まれて身動きが取れずにいると、「ごめんなさい」と…
続きを読む →SSを上げていきます。
ぼふん、と頭まで被っていた夏布団が潰される音とともに体に重みを感じて目が覚めた。顔を出してみると頬に濡れた髪の毛が触れる。風呂上りの石鹸の匂いをさせた長太郎に布団ごと抱き込まれて身動きが取れずにいると、「ごめんなさい」と…
続きを読む →日曜日の昼下がり。出掛ける支度を整えた俺たちは玄関に向かって幾分かひんやりとした廊下を進んだ。「とりあえず先にどこかで腹ごしらえしましょうか。そのあと映画なんかどうです? 宍戸さん、見たいものがあるって言ってませんでした…
続きを読む →宍戸さんの唇がひたいに触れる。温かさに思わずまぶたをぎゅっと閉じたら、皺の寄った眉間にも同じように口づけられた。「次は?」薄く瞼を開いたら宍戸さん顔がすごく近くてびっくりしちゃって、でも座り込んだ背中はロッカーにくっつい…
続きを読む →「長太郎、具合どうだ?」トーンを抑えた聞きなれた声がして、俺はまぶたを開いた。今朝目覚めたときから熱があり大事を取って横になっていたのだけれど、重くなるまぶたに反してなかなか眠れず今に至る。宍戸さんが俺のおでこのぬるくな…
続きを読む →今夜もまた、真っ暗な寝室に息をつめて踏み入れる。家具の配置を思い出しながら、体に染みついた感覚を頼りにベッドにたどり着いた。微かに寝息が聞こえる。ベッドの左半分、いつもの定位置で既に夢の中にいる長太郎の気配をうっすらと感…
続きを読む →初めて長太郎を壊したいと思ったのは夏の暑い日、部活が終わって帰り支度をしているときだった。ベンチに座って靴紐をほどくあいつの首筋が晒されていて、それを見下ろしながら、歯を立ててみたらどんな触覚がするのだろうか、肌はどんな…
続きを読む →背中にぴたりとくっついて眠っていたはずの長太郎に首筋を甘噛みされる。鳩尾を撫でる温かな手のひら。その指先は俺の鼓動を確かめるようにゆっくりと左胸を這い、尖りを擦り始める。ゆうべ散々弄ばれたせいで、些細な刺激ですら俺を夢の…
続きを読む →酔っ払って帰ってきた宍戸さんはいじわるだ。ソファーで本を読みながら宍戸さんの帰りを待っていた俺は「おかえりなさい」を言う間もなく襲撃された。「ちょうたろー、あーん」俺の膝に乗っかった宍戸さんは、コンビニで買ってきたショー…
続きを読む →注意:女体化百合 青天の霹靂ってこういうことだ。今日は二月十六日で、バレンタインデーの二日後で、つまり私の誕生日の二日後で、当日にお祝いできなかった代わりにちょっといいレストランでご飯食べようって誘ってくれた宍戸さんは珍…
続きを読む →目覚めたときから微熱があり、学校を休むほどでもないからと家を出たはいいものの、動くたびに体の感覚に違和感があった。首元が苦しい。ネクタイを緩めても、シャツの襟ぐりがうなじや首筋に触れるだけで息苦しく感じる。衣服の布地は胸…
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