ぬくもりの檻

「ただいま帰りましたぁ」玄関を施錠する金属音からややあって、リビングのドアが開いた。足元を這うような冷気とともに帰ってきた長太郎は、鼻の頭と頬を真っ赤にして、髪の先が少し濡れている。「おう、おかえり。なんだ、雨降ってきた…

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呑まれた話

酔った勢い、というものはないらしい。アルコールに絆された本性が露呈するだけで、それは勢いでもなんでもないという。つまり酔っているときの言動こそが、普段は理性の裏に隠している本当の姿ということになる。「宍戸さんはひどい人で…

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12/25

0:00 SIDE鳳 「あ、宍戸さんこんばんは! メリークリスマスです!」「おー、本当に0時きっかりに電話してきたな」「だって、約束しましたから」スマートフォンの向こうで、宍戸さんは少し呆れたように言った。昨日、日付が変…

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ビビッドピンクの誘惑

注意:女体化百合 「買っちゃったな」「ドキドキしましたぁ」「誰かに見られたりしなかったかな」「マ、マスクもしたし大丈夫……だと思います」ベッドの上に並べたのは、なんでも揃うディスカウントストアでさっき買ってきたビビッドな…

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食べられる長太郎の話

かわいい、と宍戸さんは言った。ぷっくり朱く、トロトロになった恥ずかしいところで俺を飲み込んで、焦点が合っているのかいないのかわからないまなざしで、かわいい、と言った。乗っかられた俺は宍戸さんを見上げていることしか出来なく…

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夏祭り

起きてすぐにベランダのミニトマトに水やりをしているとどこからか祭囃子が聞こえてきた。そういえば数日前に夏祭りのポスターを見かけた気がする。確か開催場所は近くの神社。宍戸さんを起こすついでにそのことを話したら散歩がてら行っ…

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