『いらっしゃいませ! 本日はラブラブなお二人にスペシャルな時間をご用意いたしました。心行くまでお楽しみください! なお二時間制となっており、延長をご希望の場合は……』
陽気なアナウンスを聞きながら、宍戸は頭を抱えてしゃがみこんだ。
ピンク色した毛足の長いファーの絨毯が目に痛い。
「あ、あの」
棒立ちの鳳が宍戸に声を掛けようとした瞬間、車体が動き出し二人はもれなく尻もちをついた。
彼らがいるのは小型トラックの荷台の中。
それもただの荷台ではない。
部屋のごとく内装が施され、二人掛けのソファーが一つと空色の壁、そして片方の側面は全面ガラス張りになっている。
これはどうみてもアレでしかない。
男なら一度は目にしたことのある有名な乗り物。
「これって」
「ああ、アレ、だな」
「ですよね……ご、ごめんなさい!」
鳳が絨毯にひたいを擦りつけて土下座する。
ピンクのファーと銀髪が混ざりあっているのを泣きたい気持ちで見つめながら、宍戸はつい先ほどの顛末を思い出していた。
宍戸と鳳は休日の買い出しに商店街に繰り出していた。
いくつか買い物をしていると福引券を渡された。
特に興味があったわけではないがせっかくだからと引いてみたところ、鳳が特別賞を引き当てた。
その商店街は不況のあおりを受けて店を畳む事業主が後を絶たず、どうにか客を集めようとあの手この手でキャンペーンを展開していた。
幸か不幸か、鳳が引いた福引はひときわ斜め上の内容となっており、そのトンチキさで密かな話題を呼んでいたのだ。
そうとは知らずに特別賞の文字だけで大喜びしてしまった二人は、係員に誘導されるまま駐車場になっている空き地に連れていかれトラックに乗せられた。
「つーか俺たちが恋人でもなんでもなかったらどうすんだよ!」
天の声に投げかけるように叫んだ宍戸だったが、当然返事があるはずもなくトラックは走り続けている。
「ごめんなさい、俺が特別賞なんて当ててしまったばっかりに……」
「長太郎のせいじゃねぇから顔上げろよ」
「で、でもっ!」
ガバッと顔を上げた鳳はすでに泣きそうになっている。
泣きたいのはこっちだという言葉をグッと飲み込み、宍戸はふわふわの頭を撫でてやった。
「大丈夫。二時間制らしいし、何もしなければただのドライブだから」
宍戸の言葉に鳳がほっと胸を撫で下ろしたのもつかの間、再び陽気なアナウンスが流れてきた。
『なお、こちらのプランはAIが搭載された監視カメラがお客様が何もしないままでいると認識した場合、自動的にマジックミラーが透明になりただのガラスになります! M(みんなに)M(見られちゃう)スリルをお楽しみください!』
「はぁ!?」
「え、えっ?」
「おい! 止まれよ!」
よろめきながら立ち上がった宍戸は天井に向かって叫んだ。
しかしまたもや返事はない。
マジックミラーの外を見ると、トラックは商店街の狭い道路を抜け、大通りに差し掛かっていた。
「か、監視カメラってあれでしょうか」
鳳が指を刺した方向を見ると、天井の片隅に黒い円形のでっぱりがあった。
その下にテレビモニターがついており、残り時間が一時間五十五分と表示されている。
宍戸は再び頭を抱えてしゃがみこんだ。
どうにかしてここから出なければ。
何もしないと中の状況が外から丸見えになってしまう。
何、とはつまり、いかがわしいことであることは今更言われなくてもわかっていた。
自分はともかく、こんな街中で鳳を衆目に晒すわけにはいかない。
うんうん唸っていると、突然部屋にブーブーっと警告を知らせる機械音が響いた。
「な、なんだ!?」
「宍戸さん! あれ!」
モニターを見上げた二人の目に飛び込んできたのは、カウントダウンを知らせる数字の表示だった。
28、27、26、25……
数字はどんどん小さい数になっていく。
「もしかして、窓が透明になっちゃうカウントダウンなんじゃ……」
「くそっ!」
「どうしよう! 俺たちみんなから丸見えになっちゃいますよ!」
「どうしようったって、どうしようもねぇだろ! 俺が隠してやるから長太郎は小さくなってろ!」
「そんな! それじゃ宍戸さんが丸見えです!」
「丸見えつったって裸になってるわけでもねぇし、ちょっと我慢すればいいだけだから」
「そんなの……そんなのダメです!!」
飛び掛かるようにして鳳は宍戸を絨毯に押し倒した。
抵抗する宍戸の動きを封じるように、両手を繋ぎとめて唇を奪う。
日頃の習性に邪魔をされ、宍戸は抵抗を続けることが出来ずに鳳の舌を受け入れた。
厚い舌が宍戸の咥内を蹂躙する。
絡めた唾液が口端から垂れ流れても、鳳は宍戸の唇を貪ることをやめようとはしなかった。
すると突然けたたましかった警告音が鳴りやんだ。
そっと鳳が顔を上げモニターを確認すると、もとのように残り時間の表示に戻っている。
「よかった、カウントダウンが止まった」
「っ、んっ」
鳳の太ももに身じろぎした宍戸の中心があたる。
そこはわずかに存在を主張し始めていた。
「し、宍戸さん、あの、ここ、硬くなってます」
「ばか。おまえが急に、激しくするから……」
もじもじと内ももを擦り合わせる宍戸の姿に、鳳の理性が警鐘を鳴らした。
こんなところで宍戸と交わるなんて許されるのだろうか。
しかしそうしなければガラスが透明になってしまう。
キスだけで色っぽく蕩けてしまった宍戸を誰かに見られるくらいなら……
「宍戸さん、ごめんなさい!」
鳳の手が宍戸の下着の中に忍び込んだ。
ゆるく勃起した昂りを優しく握りこみ、上下に動かす。
それだけで宍戸は腰をヒクつかせ、鳳に首に腕を回してきた。
「あっ、やだ、ちょうたろ、こんなとこで、んぅっ」
「ごめんなさい、でも、こうするしかないんです」
「あっ、アァっ、さきっぽ、そんなにしたら」
「宍戸さんココ弱いですよね。おちんちんの小さい穴、グリグリしたらすぐイッちゃう」
「やぁっ、言うなぁ、アァッ、あ、や、こんなとこで、でちゃ、っ」
「いっぱい出していいですよ、ほら、ほらっ、グリグリ、気持ちいいでしょ?」
「や、やだって、あぁ、んんぅ~~~っっ」
手のひらに広がる迸りの熱さを、鳳は目を細めて受け止めた。
走ったあとみたいに胸を上下させて呼吸する宍戸の頬に口づけて、鳳は体を起こしあたりを見回した。
気が動転していて観察を怠っていたが、この部屋には必要なものがなんでも揃っているようだった。
ティッシュペーパーにコンドーム、ローションからいわゆる大人のオモチャまで至れり尽くせりの充実っぷりだ。
それらがプラスチックのかごの中にまとめて入れられている。
鳳は揺れる車体の中を膝をついて進み、そのかごをとって宍戸のところまで引き寄せてきた。
宍戸の精液をティッシュでふき取った鳳は、かごの中から絨毯と同じ濃いピンク色をしたローターを取り出した。
スイッチを入れると楕円形のローターがブルブルと振動しはじめる。
その様子を見つめている熱っぽいまなざしに気付き、鳳は優し気な表情で微笑んだ。
「気になりますか?」
「えっ」
「あまりこういうものを使ったことがないので自信はないんですけど」
「あ、あ、」
「宍戸さんが気持ちよくなれるように頑張りますから」
震えるローターがTシャツの上から宍戸の胸にあてられる。
鳳がローターをゆっくり滑らせている様子を恐る恐る見つめながら、宍戸は自然と胸を突き出してしまっていた。
まだ触れられていない胸の尖りが自ずと勃ちあがり、服の布地に擦れて甘い疼きを宍戸のもたらす。
鳳は目視できるほどツンと尖った飾りに気付かないふりをして、ローターの先でその周りを執拗に撫でた。
「服の上からでも震えてるの感じますか?」
「んっ♡」
「宍戸さんどうしました? おっぱい触って欲しそうにしてる」
「わ、わかってんなら、早く」
「早く、なんですか? どうしてほしいの、宍戸さん」
「っ!」
服の上から乳首の周りばかりを刺激されたもどかしさに腰がくねってしまう。
宍戸は疼いてばかりの胸のじれったさと、下着の中で再び硬く勃起している自分のペニスの窮屈さに耐えていられなくなった。
躊躇いがちに右手ではTシャツをめくり、左手では下着ごとハーフパンツをずり下げる。
そして頬を真っ赤にして潤んだ瞳で鳳に懇願した。
「し、してくれ」
「宍戸さん……!」
「胸と、ち、ちんぽが、苦しいんだ、長太郎」
「はい! いっぱい、いっぱい、気持ちよくなりましょうね」
露わになった胸の尖りにローターの先を当てる。
振動しながら押しつぶされた乳首から電気が走るように快感を享受した宍戸は、背をわななかせてあられもない声を漏らした。
「あぁぁ、やぁあ♡」
「おっぱい、ブルブルされるの気持ちいいですか?」
「うんっ♡なんだこれ、きもち、いいっ」
「もっと強くしたらどうなるかな」
「あ、あぁ♡あああ、ああぁ~~♡♡」
振動を一番強くされたローターが宍戸の乳首を絶えず震わせる。
押しつぶし、弾かれる。
強い刺激に逃げ腰になるのに、胸を突き出すことがやめられない宍戸はひたすらに甘い声を喉から吐き出し続けた。
「宍戸さん、これ持ってて。自分で気持ちいいようにできますよね?」
「?」
鳳が宍戸の手にローター握らせる。
刺激する方法を教えるようにその手ごと尖りの上を滑らせ、宍戸が自分で出来るように促した。
「あっ、あ」
「こうやるんです。そう、上手」
「んっ♡」
「ふふ、そうやってコリコリするのが気持ちいいんですね」
「言うな、ってば、ぁ♡」
自慰を見られているようで恥ずかしいと思うのに、宍戸は手を動かすのを止められない。
それどころか、ローターをあてて疼くような快感を楽しむ姿を鳳に包み隠さず見られていることが宍戸を更に昂らせていった。
ローターを渡して両手が空いた鳳は、宍戸の下着ごと剥ぎ取って下半身を丸裸にした。
両足を大きく開かせると宍戸が羞恥に目元を染める。
それもそのはず。
大きなマジックミラーの外は人通りの多い交差点に差し掛かっていた。
「あ、外、」
「大丈夫。俺たちがこうしている間は誰からも見えていませんよ」
「そう、なんだけど」
「わかっているけど、落ち着かないですよね。でも絶対、宍戸さんの恥ずかしい姿を誰かに見せるようなことはしませんから」
かごの中からローションを取り出した鳳は手のひらに中身を出し、宍戸のアナルに塗りこめた。
宍戸の腸壁が十分に潤うまで何度もローションを継ぎ足す。
乳首へのローターの刺激と鳳の指の刺激に体をビクビクと跳ねさせながら、完全に勃起した宍戸のペニスの先からは慎ましやかな涙がとめどなく溢れていた。
鳳が指を引き抜くと、敢えて前立腺に触れることなく解された宍戸の性穴は物欲しそうにひくひく収縮した。
「宍戸さん、今度はこれを使って遊んでみましょう」
「な、そ、そんなの、入れたことない」
鳳がかごから取り出したのは、ゴツゴツとパールの突起がいくつもついたバイブレーターだ。
その凶悪な形状に目を丸くした宍戸はいやいやと首を振った。
「俺と同じくらいの大きさだし、宍戸さんのお尻ならちゃんと飲み込めますよ」
「で、でも」
「スイッチを入れると、ほら、こんなにグネグネ動いてる。きっと宍戸さんのお尻の中で気持ちいいところを」
「い、言うなぁ!」
「ゴリゴリって」
「うぅ~っ」
「いっぱい気持ちよくしてくれますよ。ね? 入れてみたくなってきたでしょう?」
「う、うぅ」
それでも首を縦に振ろうとしない宍戸に見せつけるかのように、鳳はバイブレーターにネットリと舌を這わせた。
まるで宍戸のペニスを舌であやすときのように、下から舐め上げ、亀頭部分に口づけ、丹念に唾液を纏わせていく。
鳳の淫猥な舌使いを目の当たりにして、何も飲み込んでいないはずの宍戸の腹奥がきゅんと蠢いた。
「ちゃんと俺がベトベトにしましたから、入れても痛くないですよ。ね、宍戸さん。気持ちよくなってる宍戸さんを俺に見せてください」
「う、うぅ……うん」
蚊の鳴くようなか細い声で、宍戸は頷いた。
にっこりと目を細めた鳳がバイブレーターの先端を宍戸のアナルに宛がう。
色づいた粘膜は始めから待ち望んでいたかのように無機物に吸い付き、難なく飲み込んでいった。
「あぁ、あぁ、かたいの、入ってくる♡」
「今ね、先っぽが入りましたよ。それから……ふふ、つぶつぶがたくさんついたところも入ってく」
「あぁぁっ、つぶつぶ♡入口のとこ、きもちぃぃ♡」
「お尻の穴にひっかかるのが気持ちいいのかな? スイッチ入れる前に少し遊びましょうか。ゆっくり動かしてあげますね」
「あ、あ、あぁ、っ、ァア~~~♡♡」
「宍戸さんのお尻がつぶつぶのせいでめくれちゃうの、えっちです。すごく気持ちよさそうだし、ね、言った通りでしょ?」
「ちょ、ちょた、おれ、おれもう、だめ」
「もう? そんなによかったんですか? 好きなだけイッちゃっていいですよ。まだ時間はたっぷりありますから」
「ん、んっ♡ ん~~~~~っっっ♡♡♡」
「わぁ、白いのいっぱい出ちゃいましたね。じゃあちょうど気持ちよくなってることだし」
「え? 待って、まだ、おれ、やだ、わあぁっ、」
「全部飲み込めてすごいです。ちゃんと一番強くスイッチ入れましたからね」
「あ”あ”ぁ~~~~っっ!! や、んぐぅっ♡ だ、だめ! あ、ぁああ”あ!!!♡♡♡」
パールの突起がうねるように宍戸の尻の中を蠢き、腸壁と前立腺を力づくで蹂躙していく。
襲い掛かる快感の波から逃げるように後ずさりしはじめた宍戸を引っ張り起こしてマジックミラーに手を付かせ、尻を突き出させた格好のまま鳳はうしろからバイブレーターで突き上げた。
「逃げちゃだめですよ。えっちなことをしてないとみんなに見られちゃうんですから」
「で、でも、これ、あぁぁっ」
「ほら、見えますか? たくさんの人が俺たちの前を行き来してる。今この窓がただのガラスになっちゃったら、宍戸さんのおっぱいが赤く腫れちゃってるところも、おちんちんから精子を漏らしちゃってるところも、お尻にこんなえっちな道具を入れて気持ちよくなってるところも全部見られちゃう」
「ひぃっ、っ♡」
「そんなこと、俺がさせません。だから時間が来るまで、えっちなことで頭ん中いっぱいにしててくれませんか」
「う、うえぇ」
「泣かないで。宍戸さんのことは俺が守りますから。あぁ、ローターも放しちゃって。しょうがないなぁ」
宍戸のTシャツも剥ぎ取って一糸まとわぬ姿にさせた鳳は、絨毯の上で震えているローターを拾い上げ宍戸の亀頭を包み込んだ。
何度も射精して敏感になっている亀頭をいきなり強い振動で嬲られて宍戸の腰が跳ねる。
後ろに引こうにもバイブレーターで固定され逃げられず、宍戸は中と外からの責め苦に涙を流して喘いだ。
「やだぁぁ、ちょた、それ、つよいぃっ!」
「お尻の中とおちんちんの先っぽ、どっちが気持ちいいですか?」
「どっちも! どっちもすごいからぁ! や、あぁぁぁっっっ!! たす、たすけて」
「怖くないですよ、俺がついてますから」
鳳は宍戸の首筋に舌を這わせて囁いた。
その言葉で魔法にかけられたように抵抗するのをやめた宍戸がマジックミラーに上体を預ける。
汗で滑るのを何度も這い上がるようにして縋りつき、宍戸のペニスは射精し続けた。
「あっ、っあ♡ ちょ、ちょた」
「どうしました?」
「なんか、なんか出そう」
「もうたくさん出てるじゃないですか。宍戸さんの精液で窓がたいへんなことになってますよ」
「そうじゃなくて、あっ、や♡ ああぁ、もうだめっ」
「え? わっ、宍戸さん」
「うぅぅ、見んなぁ、ぁ♡」
ぷしゃぷしゃっ、と勢いよく宍戸の亀頭から飛び出たのは、白濁ではなくサラサラとした透明な体液だった。
ローターの振動がそこかしこに宍戸の噴出をまき散らす。
窓と二人の足元はびしゃびしゃに濡れてしまった。
鳳は宍戸が潮を吐き出しきったペニスからローターを離し、ゆっくりバイブレーターを引き抜いた。
バイブレーターと宍戸のアナルを粘着質なローションが糸を引く。
支えを失い、ぐしゃりと腰砕けになった宍戸の体を抱きとめて、鳳はソファーに横たわらせた。
真っ赤に泣き腫らした目元と、しとどに濡れた腰から下の艶めかしさが何ともたまらない気持ちにさせる。
潮吹きまでして達し呆然と鳳を見つめる宍戸の唇にキスをしようとしたら、宍戸は腕で顔を覆ってしまった。
「宍戸さん」
「うぅぅ」
「恥ずかしがらないで、キスさせて」
「こんなとこで、よりにもよって長太郎の前で」
「うん」
「漏らしちまうなんて」
「あれはおしっこじゃなくて潮吹きってやつだと思うんですけど」
「どっちでも同じだ! うぅ……消えたい……」
「そんなこと言わないでください。ねぇ、宍戸さん。お願い、キスさせて?」
おもむろに腕をどけた宍戸が鳳を睨みつける。
その表情がどうみても可愛らしいものでしかなくて、鳳はツンと尖らせられた宍戸の唇にそっと口づけた。
「宍戸さん可愛い」
「どこがだよ」
「全部ですよ。全部可愛い。宍戸さん大好き」
「えげつないもん突っ込まれて漏らしても?」
「うん」
「誰かに見られるかもしれないのに興奮しちまっても?」
「誰にも見せませんよ。でも、へぇ……宍戸さん、興奮してたんだ?」
「……ちょっとだけ」
「えっちですね。宍戸さんてば、いつからそんなえっちな体になったの? 俺のせい? そうだったらいいな。やっぱり可愛い。可愛い宍戸さん、大好きです」
鳳はとめどなくキスを降らせ、頑なに開こうとしない宍戸の唇を懐柔していった。
その献身にほどなくして絆され、宍戸は舌先を出して鳳の唇を舐めた。
「そんなに好きならよ」
「はい?」
「おまえのソレはいつ俺に入れてくれんの?」
宍戸の手が鳳のベルトにかけられる。
服の上からでも分かるほどはちきれんばかりに膨らんだ股間を宍戸の指に弾かれ、鳳はビクッと腰を引いた。
「ちょっと宍戸さん!」
「俺ばっかりこんなにしやがって。全然足りねぇんだよ。おまえのを入れてもらわなきゃ」
ベルトのバックルが外され前がくつろげられる。
下着ごとずり下げた宍戸の目の前で、鳳のペニスが勢いよく飛び出した。
カリ首がパンパンに膨らみ、浮き出た血管が射精を今か今かと待ちわびている。
舌なめずりした宍戸は体を起こし、ソファーの背に上半身を預けて腰を高く上げた。
「なぁ、長太郎? ここにおまえのバキバキちんぽ、入れたいだろう?」
ぽってり色づいた蜜壺が鳳を誘う。
根元まで一気にペニスを捩じ込んで、鳳は息も付けぬほど一心不乱に腰を振った。
『本日はM(みんなに)M(見られちゃう)号をご利用いただきありがとうございました! まもなくお時間となりますのでお帰りの支度をお済ませください。なお本日監視カメラで録画した映像はデータ化しお渡しが可能です。ご希望のお客様は出口で係員にお申し付けください。ご希望でない場合は即時消去させていただきます。また、アンケートにお答えいただいたお客様にはサービスでご利用無料券をお配りしておりますので、この機会にぜひ! それではまたのご利用をお待ちしております! ラブラブなお客様の性生活にスリルとサティスファクションを……』